危険物取扱者の概要
危険物取扱者はガソリンや灯油などを、工場やガソリンスタンドなどで多量に扱える資格です。ガソリンスタンドのための資格と思われがちですが、化学物質を製造する工場や、工場の機械のメンテナンスなどでも重宝される資格です。
危険物取扱者は履歴書に書くことができるの?
甲種、乙種、丙種とあります。取り扱おうとしている危険物によって目指すべきレベルも違いますが、乙種4類を取っておけばガソリンスタンドで重宝されます。履歴書には「乙種第4類危険物取扱者免状 取得」と記載します。
危険物取扱者の勉強期間は?
甲種を取得しましたが、個人的な勉強期間は1ヶ月
でした。
1年前にそこそこしか勉強せずに落ちて、1年間勉強せず、そして1ヶ月前から猛勉強しました。
余裕があるのなら、2ヶ月くらいは時間が確保できるのが理想だと思います。
また、勉強法のところにも書きましたが、受験資格がある方は大学在学中などに取得することをおすすめします。「ボイル・シャルルの法則」や「アボガドロ定数」などは大学受験に必要な知識と丸かぶりです。覚えているうちに取得する方がいいと思います。
危険物取扱者の受験資格は?
乙種・丙種ではどなたでも受けられます。甲種は大学で化学専攻や乙種を持っているなど、細かい規程があります。詳しくは消防試験研究センターの受験資格に掲載されています。
危険物取扱者はいつ受けられるの?
都道府県によって異なります。例えば、東京であれば毎月のように受験のチャンスがありますが、ほとんどの県では年3回程度になります。
詳しくは消防試験研究センターの試験日程に掲載されています。
危険物取扱者の合否はいつ分かるの?
約3週間ほどで郵便ハガキで合否結果の通知があります。同じ時期にホームページでも合否が発表されます。危険物取扱者にかかる費用は?
受験料は甲種で5,000円、乙種で3,400円、丙種で2,700円になります。勉強の際に役立つ教科書、参考書等は2,000円前後で手に入ります。
危険物取扱者の合格点は?
法令、物理および化学、危険物の性質それぞれ3分野が60%以上で合格です。危険物取扱者の合格率は?
甲種で30%強、乙種70%弱(4類除く。4類を含めた平均が40%強)、丙種50%程度になっています。危険物取扱者の勉強法は?
私個人の勉強法を紹介します。独学or通学?
独学でも十分狙える資格だと思います。前日まで
「大学では化学も習っていたのだから、資格の1つや2つほしい」ということで、危険物取扱者試験(甲種)を受けることにしました。農学部卒ですが、受験資格である化学の単位はギリギリありました。
一応1年前に1度、そこそこの勉強でチャレンジしたことがありましたが不合格でした。以後全く無勉強で1年後に再び受けることを決意、1ヶ月猛勉強することにしました。
1年前に勉強したことなど全く忘れている状態で勉強を始めました。
「丙種→乙種→甲種とやっていけば自然に覚えられる」と思って丙種から始めましたが、この方法は全く無意味だったと思います。
丙種や乙種に関しては、模擬試験をやった結果、「なんとなく覚えていても、選択肢の中から1つ選ぶことができる」ので合格点に届くのですが、甲種に関しては「選択肢が最後2つから絞り切れない」という事態になりました。
そこから残り3週間弱というところで「教科書ほぼ丸写し」という勉強法に切り替えました。
勉強手順としては、化学をかじったことがある方なら「化学→性質→法令」という順がいいと思います。取っ付き易いからです。
大学を卒業して数年経っているので「ボイル・シャルルの法則」や「アボガドロ定数」すら忘れていました。受験資格がある方なら、大学在学中に取得することをおすすめします。
同じくして、アプリにて単語帳と分類を同時に勉強しました。単語帳では基本的なこと(第1類→酸化性固体など)を頭に叩き込むため、分類も同じく何が何類かを覚えるために使いました。
教科書ほぼ丸写しを3回ほど繰り返しながら、試験10日ほど前には平行して問題集も解きました。「問題集は3回解くこと」と問題集に書いてあるので、なんとか3回解きました。
試験申し込み
試験申し込みは2ヶ月前に済ませました。1年前に受験していたので電子申請が可能でした。初めて甲種を受験する方は提出書類等があるので、郵便での手続きになるので、注意が必要です。
試験当日
当日は直前まで下記のアプリで勉強しました。また、1年前に早く着きすぎて寒い思いをしたので、今回はそこそこな時間に着くようにしました。周りが金髪の方やらガリ勉っぽい方やらで異様な雰囲気でした。
教室には電子申請の方で集まっているのか、みんなプリントアウトした受験票を持っていました(自分のプリントアウトした受験票が綺麗に印刷されなかったので、気になって周りを見渡してしまいました)。
試験開始までには担当の方の説明があります。結構長いです。
試験そのものは教科書に全く記載がない問題が1問出題された他は、見たことがあるような問題ばかりでした(それでも難しかったです)。開始時間ほどして退室。まだ解いている方はいました。
合格通知まで
合格発表は約3週間後でした。ホームページで確認できます。合格通知は不合格通知と同じようなハガキで来るのでびっくりします。
免状の申請はこの合格通知と返信用封筒などを送り返して、翌月に届きます。
ちなみに法令73%、物理・化学60%、性質・消火65%という、結構ギリギリな点数で合格でした(1年前はどれかが50%で落ちたので、猛勉強した割には点数が上がっていない…)。
危険物取扱者に役立つサイトは?
ユーキャンの危険物取扱者講座乙四と丙種であれば、ユーキャンの通信教育があります。
会社で何がなんでもとらなくてはいけなくなってしまったけど、文系だし…という方には、こういう方法もあります。
危険物取扱者に役立つアプリは?
危険物 分類マスター危険物を1~6類に分類するアプリ。コツを覚えるまで15点/30点満点ほどしか取れませんでしたが、コツを覚えて(ニトロが付くのは5類が多い、○○酸は1類が多いなど)試験日当日には27~30点は取れるようになりました。このアプリがなかったら合格できていなかったと思います。
単語帳 for android
単語帳アプリです。チェックや☓を付けておくことができます。
大体30問くらい作っておいて、通勤時間を中心に勉強しました。基本的なこと(第1類が酸化性固体だったり、保安距離が必要な施設や消火器の色など)はどうしても暗記になってしまうので、単語帳アプリは重宝しました。
完璧に覚えられた、と思ったら、解けた問題を抜いてだんだん難しい暗記問題を追加しました(密栓しない危険物や保安員を選任する事業所など)。
危険物取扱者に役立つ書籍は?
教科書。ほぼ丸写しして覚えました。無駄なことが書いていないし、問題も多く載っているので、教科書・参考書関係はこれ1冊で十分だと思います。
語呂合わせも多く載っていますが、個人的にこの語呂合わせよりも、アプリの単語帳で無理やり覚えました。
問題集。教科書だけだと問題をこなす量としては心配だったので購入しました。
この2冊は必須だと思います。できれば最新の本を買うのをおすすめします。
私は古本で買ったのですが、
・法令が変わっているところがあった
・アンダーラインが引かれていて読みにくかった
というのがあったためです。
危険物取扱者が実社会で役立ったこと
資格そのものは、工場やガソリンスタンドで働く以外には役に立つ機会はそうそうないと思います。実社会で役立ったのは
・農学部卒だったので、化学が得意だったのが証明できなかった→危険物取扱者免状を取ることで(ほんの少しだけど)証明できるようになった
・履歴書に堂々と書ける
・いざというときにガソリンスタンドで働ける
という点です。個人的には「なんとなく取りたい」とずっと思っていた資格だったので、取得できて心の中がすっとした気持ちです。
危険物取扱者公式サイト:http://www.shoubo-shiken.or.jp/
資格の最新情報等は公式サイトでご確認下さい。